神経ブロック法

私達が汗をかくのは、脳が「汗をかけ」というメッセージをだし、そのメッセージが神経をとおって汗腺に届くからです。

 

これを逆手にとって「汗をかけ」という脳からのメッセージを薬以外の方法でブロックしてしまおうというのが神経ブロック法の考え方です。

 

 

大脳の視床下部が汗の指令センターの役割をしているんですが、ここから体の各部に向かう指令ルートのツボをブロックしてしまうという方法です。

 

 

ツボの第一は首の頸椎にある星状の神経節のブロックする方法です。

 

この治療法はもともとメニエル病や顔面神経麻痺などの患者さんの血行をよくしたり自律神経を調整するために行われたものでした。

 

ところがこの処置によって手のひらの汗も減ることが分かってから多汗症の治療にも応用しはじめたんんです。

 

 

ただ、この治療法にはある程度の効果が期待できる一方で難点もあります。

 

まず、第一に医師の技術レベルの違いで効果が違ってきます。

 

それと、麻酔薬を多く使うので体の片方づつしか行えません。

 

治療をうけても効果が続かない人もきるので、その場合には何度も治療することになります。

内視鏡下胸部交感神経節焼却術

首の頸椎にある星状の神経節のブロックする方法だと効果がなかったり持続しない人がいるため、さらに効果的な神経ブロックの方法が考えられました。

 

「内視鏡下胸部交感神経節焼却術」というものです。

 

これは全身麻酔をした状態で腋の下から内視鏡を入れて胸部の脊髄から出ている神経の根元を焼き切ってしまう方法です。

 

 

これは手のひらの発汗を刺激する源を遮断してしまうわけなので、減汗効果は確実です。

 

「ほとんど汗をかかなくなった」という人が多いです。

 

ただし、手のひらには…」という条件付きです。

 

 

つまり、手のひらの汗は激減したものの体の他の部分(特に臀部や足のような下半身を中心)に以上に汗をかいてしまうことがあり、手術を受けた人の30%以上はこの代償性発汗に悩んでいるという報告があるそうです。

 

さらに、内視鏡を胸部に挿入する際に気胸をおこしたケースや皮膚感覚が変わり、温度のちょっとした変化にも違和感を感じるようになった患者さんもいるそうです。

 

 

この方法はいろんなジレンマがあり、神経節の焼却部位や範囲に繊細なさじ加減を要求される手術です。

 

 

でも、この方法のおかげで長年の手汗の悩みから解放された人も多いのも事実です。

 

もし、受ける場合は信頼のおけるベテランの医師と十分相談し、術後の経過を納得の上で受けましょう。